スリーフィンガー奏法は、文字通り3本の指(親指、人差し指、中指)を使って弾くアコギのテクニックです。ギターの弾き語りでは、ストロークや一般的なアルペジオより使われる頻度は低いですが、できると伴奏の幅が広がります。また、ソロギターでは多用されるテクニックです。
アコギを弾く上で応用が効くため、スリーフィンガー奏法は覚えて損はないテクニックです。
スリーフィンガー奏法
スリーフィンガー奏法は、昭和の日本のフォークソングや、ピーター・ポール&マリー、サイモンとガーファンクル等の、1960年代〜70年代のフォークソングの伴奏でよく使用されました。
私の大好きな、サイモンとガーファンクルの「キャシーの歌」のエンディングをスリーフィンガーで実際に弾いてみました。ポールサイモンは実はツーフィンガーで弾いていたようです?!が、普通はスリーフィンガーでないと厳しいフレーズかと。。。
アルペジオとの違い
スリーフィンガー奏法も、実はアルペジオの一種です。文字通り3本の指(親指、人差し指、中指)を使って弾くアルペジオです。
スリーフィンガー奏法は、テンポが速いアルペジオで、ベース(親指)の手数が多いのが特徴です。ベース音を一定間隔で刻みつつ、そこに高音弦の音を絡めるので、メロディアスなアルペジオといった感じです。「キャシーの歌」のエンディングも、ソロギターのようでカッコいいと思います。
また別の言い回しで、「スリーフィンガーで弾く」と表現することがあります。この場合は「3本の指を使って弾く」という意味で、アルペジオとは限りません。例えば、ソロギターのように、親指でベース音を弾きながら、人差し指と中指でメロディーを弾いたり、コードの構成音を弾く場合も「スリーフィンガーで弾く」になります。
スリーフィンガー奏法を習得するメリット
スリーフィンガー奏法を習得すると、以下のメリットが得られます。
- 弾き語りの伴奏のバリエーションが増える。
- ソロギターが弾きやすくなる。また速いフレーズに対応できる。
- 親指の使い方(ベース音の刻み方)が上達する。
スリーフィンガー奏法のパターンは大きく分けて3つ
スリーフィンガー奏法のパターンは大きく分けて3つで、「タン タカ タカ タン」と「タン タターン タ タン」と「タカ タカ タカ タカ」になります。
冒頭の「キャシーの歌」のエンディングも、これらのパターンと同じか、組み合わせたパターンでほとんど弾けます(※弾く弦が違う時もありますがリズムパターンは同じ)。
実際に各パターンを弾いて順番に解説します。1回目はゆっくり、2回目は速くで、2回づつ弾きました。
コードは「A」で弾いています。「C」や「Am」などの5弦がルート音(コードの一番低い音)のコードなら、同じ弾き方になります(左手のコードフォームが変わるだけ)。また、スリーフィンガー奏法はアルペジオなので、最初に弾く弦はコードのルート音が原則です。
「タン タカ タカ タン」のパターン

1つ目は、これぞスリーフィンガーといった定番のパターンで、「タン タカ タカ タン」と弾きます。
※譜面のp、i、mは、右手で弾く指の記号で、pは親指、iは人差し指 、mは中指を表しています。
赤のところを親指で弾きます。【5弦、3弦、5弦、3弦】と、親指が往復してベース音を刻み、その合間に人差し指と中指で2弦と1弦の高音弦を弾くイメージです。

「タン タカ タカ タン」のバリエーションで、頭で5弦と1弦(親指と中指で)を同時に弾きます。このパターンも定番でよく使われます。最初のパターンより少し華やかな印象になります。
「タン タターン タ タン」のパターン

2つ目は、「タン タターン タ タン」のパターンです。赤のところを親指で弾きます。
1つ目の「タン タカ タカ タン」の、真ん中の音を伸ばしたパターンです。
【5弦(親)、3弦(親)、2弦(人)、1弦(中)、3弦(親)】の順で弾きます。5弦、3弦を親指で弾くのは「タン タカ タカ タン」と同じです。

「タン タターン タ タン」のバリエーションで、頭で5弦と1弦(親指と中指で)を同時に弾きます。最初のパターンより少し華やかな印象になります。
「タカ タカ タカ タカ」のパターン

3つ目は、「タカ タカ タカ タカ」のパターンです。赤のところを親指で弾きます。全て16分音符で、右手がかなり忙しいです。
このパターンも、5弦、3弦、5弦、3弦 と、親指が往復してベース音を刻みます。右手の指使いは【親、中、親、人、親、中、親、人】の順で、【親指】と【人差し指または中指】とで交互に弾くイメージです。
スリーフィンガー奏法まとめ
◆スリーフィンガー奏法も、実はアルペジオの一種です。文字通り3本の指(親指、人差し指、中指)を使って弾くアルペジオです。
◆スリーフィンガー奏法を習得すると、以下のメリットが得られます。アコギを弾く上で応用が効くため、スリーフィンガー奏法は覚えて損はないテクニックです。
- 弾き語りの伴奏のバリエーションが増える。
- ソロギターが弾きやすくなる。また速いフレーズに対応できる。
- 親指の使い方(ベース音の刻み方)が上達する。
◆スリーフィンガー奏法のパターンは大きく分けて3つで、「タン タカ タカ タン」と「タン タターン タ タン」と「タカ タカ タカ タカ」になります。
◆スリーフィンガー奏法は、テンポが速いアルペジオで、ベース(親指)の手数が多いのが特徴です。最初はゆっくりのテンポで練習し、だんだんと弾くスピードを上げて練習するのがおすすめです。
また、まずは一般的なアルペジオを習得し、その後にスリーフィンガー奏法を練習した方が良いです。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m
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